早いものでもうすぐ新年度です。 昭和大学に入職が決まっている方、入職おめでとうございます。 新人看護職員として入職されたら、4月の最初からやることがたくさんあります。 最初にやることのうちの1つが、白衣のまつり縫いです。 このまつり縫い、慣れているとなんてことはないのですが、不慣れな人には大変です。 でももう社会人。実家のお母さんに甘えるのもいいですが、自分でやってみましょう。
そんなわけで、前回の予告通り、まつり縫いに必要な技術をお送りします!
必要なもの 針…縫い針 糸…手縫い糸の細口(ミシン糸は縒りの方向が違うので手縫いに適しません)
クリップ…裾をしつけておくためにあると便利(事務用のクリップでも大丈夫)
今回は分かりやすいように赤い糸で縫っていきますが、通常は白い糸で縫います。
まずパンツを穿いてみて裾をどのぐらいの長さに詰めるのかを決めましょう 「この長さにしよう」と決めた長さから1cm長めに縫い詰めます。 白衣はクリーニングに出しますので、けっこう縮みます。 縫った時にちょうどいい丈にするとクリーニングから帰ってきてビックリ! つんつるてんになった!ということがないようにしましょう。丈の長さを決めたらクリップで留めます (アイロンがある人はアイロンをあてておくと良いです)
裏返して
縫いやすいように上下の向きを変えて、裾側を持ちます 針を通す場所を分かりやすくするために、説明にA・Bを振ります
B(折り上げた裾の端)の裏から針を出します
1針目 Bの端を、裏側から針を刺します
次にAの生地に針を刺して、縦糸から1~2本の糸をすくいます
そのままBの裾の端に針を通します
針の先を持って糸を引っ張ります (ギューギュー引っ張ると糸が攣れるので注意)
またAの面から縦糸を2本ぐらいすくいます
またBの端をすくいます
この繰り返しです
1周したらB側で玉止めします
針に糸を何度か巻き付けて
巻きつけた糸を左手の親指で押さえながら 右手で針を抜くと玉結びができます(左手の人は左右逆で) この玉結びは仮です。
足との摩擦に耐えられなくなった玉が解けるとほつれますので 2つ目の玉結びをA側に作ります ちょうどパンツの筒の両側にある縫い代の部分に針を通します
ここで玉結びをして完成(針で示したところ)
写真では見えるように2つ目の玉結びの位置を決めましたが、 実際はもう少し裏側、見えない場所で結んだ方が摩擦に強いです。
さて表から見るとどのようになっているかというと
赤い糸で縫ったにも関わらず、全く糸が見えていません! 綺麗に仕上がりました!これは、Aの縦糸を1~2本すくったためです。 ここでAの生地を何ミリかすくうと、その糸が表に目立ちます。
その他縫う時の注意点としては「手を抜かない」です その昔、私も面倒だなー!と思って、縫目を荒く糸を掛けたことがあるのですが ほつれます
まち針で糸の間隔を示してみました 良い縫い幅(4~5mmぐらい)
悪い縫い幅(1cmぐらい・荒い)
なにが悪いかというと
そう、指が入るのです 出勤して狭いロッカーで早く身支度をしなくては!と、パンツに素早く足を突っ込んで バリッ ハッ! やってしまったー!!
手遅れです。 糸、切れてます。ってことになります。
クリーニングから戻ってくるのを待って 家に持って帰ってまた縫うなんて、とってもそんな気力ありません。 クリーニングから戻ってきた複数の袋から、 どれだったっけなー? 裾の糸が切れたパンツ…って思いながら、 もういいか、ってほつれたものを穿く…という選択肢は無いです。
それを思ったら、最初が肝心です。 縫い目は手を抜かずに丁寧に、適度に緻密に縫いましょう。 アイロンもクリップも、下地作りが後の素敵な仕上がりに効いてきます。 これは看護業務においても同じです。
荒く縫うと、生地が引っ張られた時にこんなに糸が露出するんですね
急がば回れ
あとは裾上げテープですが、これは急場しのぎです クリーニングでの高温でテープが剥がれてパンツに足が通らない状態になったり またはテープ自体が何事もなかったように無くなったりします。 ですから、やはり適度に緻密なまつり縫いです。
最後に、何針か縫ったものを動画で撮影したので参考にしてみてください。
いかがでしたか? まつり縫いは基本的な技術なので 白衣の丈詰め・ワッペン縫い付け以外にも登場することがあります。 ぜひ「自分でできる」の体験をして、引き出しを増やしていってほしいなと思います。
さて、実は今年度までの教育担当をしていた私、内藤は部署が異動になりました。 これまで読んでくださっていた方、ありがとうございました。 今後は後任の坂本係長が更新していきます。今後ともよろしくお願いいたします。
季節の変わり目、体調に気を付けて
入職予定の皆様は4月元気にお会いしましょう!