Voice密着!新人看護師1年の歩み

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2018年 第40回「密着!新人看護師の1年間の歩み」~大学病院の助産師の業務について~

藤が丘病院密着新人、助産師の木下裕唯さんが約1年経った2月にどんな業務を行っているのかを見てきました。
木下さんは産科・婦人科・乳腺外科、混合病棟配属に配属されており、本日は婦人科業務の担当をしています。

13:45頃~
・婦人科の患者さんの手術終了後の迎えに行き、手術室看護師から申し送りを受ける。
・術後患者さんのバイタルサイン測定
・手術後の抗生剤の作成、投与
・先輩が作成する薬剤のダブルチェック
・手術後の患者さんの全身状態の観察
・受け持ち患者さんのバイタルサイン測定
・午前中に手術を終えた患者さんの離床の準備、離床の介助
・離床後の清拭、着替えの介助、バルーンカテーテル抜
・術後患者さんのモニターの観察
・手術1時間後のバイタルサイン測定・全身状態の観察

写真:手術室に患者さんを迎えに。

写真:電子カルテで薬剤の確認。

写真:術後抗生剤の調剤。

写真:リーダーに患者さんの状態報告。

約1時間でこれだけの業務を行っていました。
その間リーダーさんが何度も声をかけてくれ、手術後の離床介助をする時間が無ければ、他の看護師に依頼すると言ってくれたのですが、木下さんはきちんと時間管理をして予定通りの時間に離床介助を行っていました。

リーダーさんだけでなくチームの先輩や、同期のスタッフも、「何か手伝えることない?」と何度も声をかけてくれていました。
リーダーさんがチーム内の様子を把握して、各スタッフの行動を見ているので、多重業務でも安心して働けているのが良く分かります。明るい雰囲気でお互いに声のかけやすそうな職場です。

手術1時間後の観察が終わったところで、お話を聞いてみました。

Q1:現在の業務状況について教えて下さい。

・産科業務
1月に入り、分娩介助や間接介助などの助産師業務につかせてもらえるようになりました。

分娩介助では、先輩フォローのもと、分娩第1期から分娩後2時間まで助産ケアを行なっています。
間接介助に関しては、10月頃より経膣分娩の間接介助につき、1月からは帝王切開術のベビーキャッチ(出生直後の新生児ケア)に入っています。

・婦人科業務
婦人科疾患・乳腺外科疾患患者さんの周術期をみています。
手術前後で患者さんの状態を観察し、早期離床できるような介入や、症状緩和のケアを行なっています。
また、1月より化学療法も行い始めている最中です。
切迫流・早産や悪阻などの妊婦に対しては、点滴治療が基本となりますが、患者さんの状態をアセスメントし、先生と相談しながら医師の指示に従い点滴量の調整を行なっています。

Q2:助産師としてどんな時にやりがいを感じますか?

大学病院で出産する産婦の多くは、合併疾患を持っている患者さんが多いです。
その合併疾患が婦人科疾患であった場合、婦人科業務で学んだ看護ケアを分娩時にもいかせることがあり、そのような時にやりがいを感じます。

Q3:9か月の間で嬉しかったことは何ですか?

6月に両親学級の見学を行った時に患者指導をして関わった妊婦さんが、数ヶ月後にお産で入院となりました。
出産後に先輩と一緒にその方の対応をした際に、両親学級の時のことを覚えていて、生まれた赤ちゃんの顔を見せてもらいながらお話させて頂いたことです。

助産師としてまだ自立した仕事を出来てはいなくても、患者さんは私を助産師の一人として見てくれて、先輩と一緒に行った指導を妊娠経過中にきちんと実施してくれていたのがとても嬉しかったです。

Q4:9か月間の中で大変だったことは何ですか?

分娩担当になって初めての日、すでに分娩進行者がいたのですが、双胎のため帝王切開術予定であった患者が破水したと連絡があり緊急帝王切開術となるためベビーキャッチ(出生直後の新生児ケア)に入りました。
それと同時に経産婦の妊婦さんから陣痛が始まったとの連絡があり、帝王切開術のベビーキャッチ(出生直後の新生児ケア)から戻るとすぐに分娩介助の準備をしなければならないという、産科業務では初めての多重業務になりました。

フォロー者の先輩がいつもいて何でも相談は出来るのですが、自分なりに優先順位を考えながら業務を行い、先輩と一緒に安全に分娩介助を行うことが出来ました。
今後も多重業務時はまず自分で優先順位を考え、それが難しい時には先輩にすぐ相談して安全に業務を行えるようにしたいです。

Q5:ラダーの達成状況を教えて下さい。

経管栄養や、吸引など、小児を対象としてしか実践できていない技術が幾つかありますが、ラダー1は達成できました。
今後婦人科、乳腺外科の重症な患者さんに対応するために必要な技術となるものもあるので、繰り返し復習していきます。

簗瀬コメント

「本日木下さんは、婦人科業務の担当でした。
リーダーさんや先輩に確認しながら殆どの業務を一人で行っていました。
本日は看護師としての業務が主体でしたが、看護師業務、助産師業務両方を習得できるのが大学病院で助産師として勤務する上での大きなメリットだということを見ていた私も実感できました」