今日は藤が丘病院の講義・演習に密着しました。藤が丘病院密着新人、木下さん・芳山さん参加のグループの様子をお届けします。
午前中の講義と午後の演習には認知症認定看護師 松本明子さんが講師として参加しています。
写真 松本さん
行動制限・身体抑制は患者さんの安全を守るために、患者さん・家族の同意のもと、どうしても必要と判断される場合にのみ行われます。
まずは患者さんがせん妄を起こさない様な環境調整が必要です。
看護師はせん妄を予防するために様々な工夫を行っています。
そのためには高齢者の特徴やせん妄のメカニズムを学ぶ事が大切です。
仮に身体抑制を実施する場合は、抑制を本当に行うべきかどうかのアセスメント、続行・中止する場合のアセスメントを必ず行います。
実施前後・実施中に観察すべきことなど、たくさんの注意事項もあります。
今回の演習内容は
①講義 高齢者の生理機能 せん妄が起こるメカニズム せん妄の予防方法
②演習 ミトン・抑制帯・体幹ベルトの体験 患者さんへ与える影響の体験をしました。
ミトンを装着してみます。行動が制限されるだけでなく、熱くて蒸れるのを実感出来ました。
「これ嫌だね。外したくなるよね。」
「意外と指が動かなくて痛いかも。拘縮している高齢者には嵌めるのも辛いよね」
抑制帯・体幹ベルトの演習では患者さん役になってベッドに臥床し、抑制される立場を実際に体験します。
認知症認定看護師 松本さんに指導を受けながら患者役・看護師役を体験します。
胴・上肢を抑制された状態で上半身を起こし、どのくらい体が動かせるのか試します。
「腰はきつくないけど、縛り付けられている感じがする。抜け出したいです」
「何とか外したくなる気持ちがわかります」
木下さんコメント
「私は助産師で、産婦人科病棟で勤務しているので行動制限・身体抑制は殆どありません。
今回患者さんの安全を守るためにどうしても実施しなければならないときの基本が学べました。
患者さんがせん妄を起こしているときなどアセスメントをしっかりして、まずはせん妄を予防することが大切だということがわかりました」
芳山さんコメント
「私はリハビリ病院で勤務しています。胃チューブ抜去予防のために、患者さん・家族の承諾を得たうえで、経管栄養実施中のみ身体抑制を行う事もあります。
基本的には抑制を行わなくても安全に経管栄養を実施できる工夫をしています。
演習で抑制される体験をしたことで、より患者さんの立場に立って考える事が出来るようになりたいと思いました」
簗瀬コメント
「身体抑制は行わないこと、が基本です。
しかし急性期医療の中では患者さんの安全を守るために最小限行う場合もあります。
行うべきかどうかは医師を含めた多職種チームの中でアセスメントをし、医師の指示のもとで行われます。
今回の研修では身体抑制による患者さんの苦痛を体験したうえで、せん妄予防の必要性を学習出来ました。」